「道の駅」とは、日本の各地方自治体と道路管理者が連携して設置し、国土交通省により登録された特別な施設です。
この記事は道の駅公式ホームページ等より引用しております。
もっと詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。https://www.michi-no-eki.jp/
道の駅の概要
道の駅は、1991年に実験的に始まり、1993年から正式に登録された施設です。これらは、休憩施設と地域振興施設が一体となった道路施設で、休憩機能、情報発信機能、地域の連携機能の3つを併せ持っています。その主な目的は、道路利用者や地域住民に情報を提供し、地域の文化や特産品を活かした活性化を図ることです。
2023年(令和5年)にはその数1200か所を超え、閉鎖するところはあるものの、年々増加傾向にあります。
長距離ドライブとドライバーの多様化
長距離ドライブの増加に伴い、多様なドライバー、特に1990年代以降、女性や高齢者の増加が顕著になっています。それらの背景を受け、道路交通の円滑な流れや安全を確保するために、新たな施設が必要となりました。特に注目されていたのは、一般道路沿いで誰もが安心して立ち寄れる休憩スペース。道の駅は、ドライバーにとってしっかりと休息がとれる施設として、全国へ広まりました。
個性的で面白い休憩施設の登場
現代社会における人々の価値観の多様化が進む中で、ただ休憩するだけでなく、それぞれに面白い体験ができる休憩施設としても道の駅は設置されています。地域特有の文化や歴史、名所の紹介、地元の特産品の展示・販売など、地域に根ざした多様で個性的なサービスが提供されています。ドライバーはここで、地域の文化に触れ、新たな発見をすることもできるでしょう。
地域活性化と連携促進への寄与
道の駅は、地域の核としての役割も担い始めています。個性豊かで賑わいのある空間になることによって、地域の活性化も促進、さらには地域間の連携が深まることも期待されています。いまや地域の伝統や特色を活かした道の駅は、地域住民と訪問者の間の架け橋となっています。
「道の駅」の社会的役割
「道の駅」は、先に述べた通り3つの主要な機能を備えています。
第一に、道路利用者のための「休憩機能」。長時間の運転による疲労を和らげるための快適な休憩スペースを提供します。
第二に、「情報発信機能」。地域住民や訪問者に対して、地域のニュースやイベント、名所などの情報を提供します。最後に、「地域の連携機能」。異なる町や地域が協力し、一緒に地域づくりを進めるためのプラットフォームを提供します。
「道の駅」の登場は、単にドライバーの休憩場所を提供するだけでなく、地域文化の紹介、地域経済の活性化、さらには地域間の連携強化という、より大きな社会的役割を果たしています。これは、現代の交通インフラの進化だけでなく、地域コミュニティの発展にも寄与する重要な取り組みと言えるでしょう。
どんな施設がある?
道の駅には、地元の野菜の直売所や売店、レストランなどがあります。これらは地域の特産物や名所を活用したサービスを提供し、個性豊かなにぎわいの場として知られています。訪れる人々には、地域の文化や歴史を学び、新鮮な食材や地元の工芸品を楽しむ機会が提供されます。また、温泉などの施設を併設しているところや
登録の要件
「道の駅」の設立は、市町村や公的な団体によって行われ、市町村長の登録申請に基づき国土交通省によって登録されます。整備のアプローチには二つのタイプがあり、「一体型」では道路管理者と市町村長が協力して整備を行い、「単独型」では市町村が独自に整備を行います。
道の駅の登録には、以下の要件を満たす必要があります。
- 24時間利用可能なトイレを設置している。
- 24時間利用可能な電話を設置している。
- 24時間使用可能な(一定数が駐車できる)無料駐車場がある。
- 利用者が無料で24時間利用できる。
- 十分な容量を持った駐車場がある。
- 清潔なトイレ(原則、洋式)がある。
- 子育て応援施設(ベビーコーナー等)がある。
- 道路及び地域に関する情報を提供(道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報等)。
- 文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設がある。
- 施設及び施設間を結ぶ主要経路のバリアフリー化がされている。
スタンプラリーなどの実施
地域内の道の駅ごとに設置してあるスタンプを収集するというスタンプラリーを実施しています。
集めると特典がもらえるような地域もあるので、集めてみるのもいいかもしれません。
また、全国すべての道の駅を制覇すると、もらえる記念品などもあります。2023年現在、約250名の方が制覇しているとのことで、日本一周を実施する方はトライしてみても面白いのではないでしょうか?
1日限定の「道の駅」
過去に道路の開通やイベントなどにより1日だけ「道の駅」になった場所もあります。
以下に、過去に1日だけオープンした道の駅を列挙します。
- 道の駅まほろば道の駅ランド(奈良県橿原市)
- 開設日: 2003年11月24日
- 場所: 国道165号大和高田バイパス高架上
- 特記事項: 大和高田バイパス延長開通記念として開設
- 道の駅品川宿(東京都港区)
- 開設日: 2005年8月6日
- 場所: 品川インターシティセントラルガーデン
- 特記事項: 道の日記念行事の一環として開設
- 道の駅六本木(東京都港区)
- 開設日: 2007年8月4日
- 場所: 六本木ヒルズ前
- 特記事項: 道の日記念行事の一環として開設
- 一日道の駅なら中町 (奈良県奈良市)
- 開設日: 2011年11月5日・6日
- 場所: 第二阪奈道路中町インターチェンジ近く
- 特記事項:2024年3月末に開設予定の恒久的な道の駅、道の駅クロスウェイなかまちを事業建設中。
「道の駅」で車中泊はできる?
国土交通省の見解
質問:「道の駅」駐車場での車中泊は可能ですか?
回答:「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。
もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
引用元:国土交通省「道の相談室」https://www.mlit.go.jp/road/soudan/soudan_03_04.html
要約すると。
宿泊を目的とすると×
仮眠を目的とすると〇
ということになりますね。
もちろん、車中泊歓迎という道の駅もありますし、また逆に禁止の場所もあります。
当ブログでは、道の駅を紹介する際に、そのあたりも詳しく記述していきますが、少し深堀りしてみたいと思います。
あいまいな境界線
車中泊の多様な意味と状況
「車中泊」という用語は、車で過ごす生活や休息のさまざまな形態を指します。この言葉は、車上で生活する人々の状況を表すだけでなく、業務の一部としてトラックドライバーが仮眠を取る場合や、旅行者が目的地への途中で一時的に休息を取る場合にも使用されます。「車中泊」には仕事上の必要性から生じるものと、旅の途中での休憩という、二つの主要な文脈があると言えます。
車の種類による車中泊の違い
車中泊の体験は、使用する車によっても大きく異なります。一般的な乗用車では、車中泊は主にシートを倒しての仮眠として捉えられがちですが、キャンピングカーなどの特化した車両では、就寝設備が備わっているため、より快適で本格的な睡眠を取ることができます。キャンピングカーでは、寝具を持ち込み、長期にわたって車内で生活することがあり、この場合には食事、リラクゼーション、仕事など、日常生活のさまざまな活動が伴います。この場合の「車中泊」が単なる「仮眠」を超えたものになると言わざるをえません。
車中泊のイメージと社会的受容
「車中泊」という表現は、人によって異なるイメージを持たれがちです。このため、車中泊に対する社会的な見解も多岐に渡ります。一方で「道の駅での車中泊は単なる仮眠であり、問題ない」とする意見がある一方で、「公共の駐車場で長時間の車中泊は迷惑行為である」とする意見も存在します。このように、「車中泊」の意味合いは文脈や状況によって大きく変わり、その定義は曖昧なままです。
道の駅における車中泊の扱い
道の駅のような公共の休憩施設では、仮眠や短時間の休憩が一般的に認められています。疲れたドライバーが休息を取るための場所として、また悪天候や視界の悪化など、安全運転を妨げる状況が発生した際の避難場所として、道の駅は重要な役割を果たしています。これらの状況において、夜間でも昼間でも車内で休むことは問題視されることは少なく、実質的には車中泊となっている場合があります。このような休憩の利用は、運転の安全を確保するために重要であり、公共の利益にも寄与していると言えるでしょう。
仮眠や休憩を目的とした短期間の滞在は、夜間であっても通常は問題ありません。一方で、休憩を越える長時間の滞在は望ましくありません。また、車中泊に関わる問題は別として、マナーを守り、常識的な利用を心掛けることが重要です。
しかし、「長期滞在」とは具体的に何時間を指すのかは曖昧です。「休憩は何時間まで」といった明確なルールを設けるのも難しく、人それぞれの疲労回復には違いがあります。また、常に混雑する道の駅と、広い敷地を持つ地方の道の駅では、その適用されるべきルールの認識も変わってくるでしょう。
結局はどうなの?
解釈やマナー、広さ狭さ、立地条件など、いろいろな要因により時と場合によるというのが答えになります。
つまりはグレー。ってことです。白黒はっきりしたくなるところではありますが、この「ちょっと曖昧」であることは意外と大事なのかなと思われます。もちろんマナー違反や迷惑行為にまで発展してしまうと、規制が厳しくなることも考えられますが、このグレーゾーンの中で上手に利用し、家庭ごみは持ち帰る、だらしない恰好で出歩かない、などマナーをきちんと遵守して誰もが心地よい道の駅の活用ができるよう心がけが大事だと言えます。
ちょっとした旅の休憩に
国内を旅する際には、道の駅は避けて通れないと言っていいほど全国に分布しています。地域の魅力を存分に味わい、休憩と情報収集の場として、また地域の人々との交流の場として、役立つことでしょう。